<債権回収1>

【状 況】

 補助金申請のサポートをしていた会社が、サポートを実施して実際に補助金の採択を受け、入金もあったのにも関わらず、採択された側が翻意したことで、多額の売掛金が未収となっていました。相手方は、「払う考えはある」とは言うものの、何度も支払いの約束を反故にし続けていました。

 

【対 応】

 相手方に内容証明を送付の上、仮に支払いがなければ法的措置をせざるを得ない旨を伝えて、支払いを行うように説得しました。

それに対し、金額の問題で一括での支払いが難しいとの回答があったことから、短期の分割のみ認めることとし、示談しました。

 

【ポイント】

 債権回収は、書面での通知、交渉、そして、話し合いが成り立たなければ調停や訴訟も当然行うとの考えで進めます。他方で、相手がいることですから、現実的な回収期間や金額を考慮することも必要です。今回は、分割を提案したことで、相手が現実的に支払い可能となり、交渉に応じやすくなりました。


<債権回収2>

【状 況】

 建設業の方が、同業者の知人に頼まれ、お金を貸していましたが返済が途中で止まってしまっていました。また、頼まれた仕事も行っていましたが、その報酬も払われないままとなっていました。契約書などはなく、やりとりはいつもLINEで行っていたのですが、電話もLINEも出ない状態になってしまいました。

 

【対 応】

 相手方の住所を調査した上で連絡文書を出したところ、音信不通であった相手から連絡が来ました。ただ、結局は「〇〇までに払う」といったことを言っては約束を守らないということが2回続いたことから、裁判を提起することにしました。結局、相手が訴状を受け取ったところで突如支払いを実行してきたため、依頼者と相談の上で、訴訟は取り下げで終了することになりました。

 

【ポイント】

 お金のやり取りに関しては、契約書や借用書があると良いのですが、知人同士だったりすればそういった書類がないことが多く、LINEの履歴だけしかやりとりのわかるものがないといったこともあります。それでも、お金の動きを確認し、LINEのやり取りなどを追うことで、証拠を固めていくことはできます。訴訟も見据えながら、どういった方法で回収しうるかを考えてみましょう。