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成年後見人に対する国の監督責任

京都地裁で、家庭裁判所の家事審判官が成年後見人の監督を怠ったとして、口に1300万円の賠償責任を認める判決を出しました。

(以下、日経新聞電子版からの引用です)
成年後見人の財産管理を京都家裁の家事審判官などが確認していなかったとして、京都地裁(久保田浩史裁判長)は10日、京都府に住む被後見人の女性の兄に国が約1300万円を支払うよう命じた。成年後見人は多額の使途不明金を生じさせており、兄は家事審判官などが監督を怠ったとして4400万円の損害賠償を求め提訴していた。
(引用ここまで)
成年後見人には、女性の継母が就いていたそうです。
家事審判官も、後見人からの報告を鵜呑みにして、中身をあまり見ていなかったということでしょう。
近時、弁護士や司法書士などの専門職の後見人での横領行為が世間での注目を浴びています。
ただ、逆を言えば、専門家ですらそんなような状況である以上、業務だという歯止めの効かない親族が後見人になった場合は、より使途不明金発生の危険性が高まるともいえます。
先日お会いした介護事業の代表の方も、親族の後見人などの場合、お金の使い込みなどが起きていることはそれなりにある、とも言っていました。
使い込まれてしまっては、使い込んだ本人から後々取り返すのは資力の面で現実味が薄いところです。
結局、国に対する請求が増えていくことになるんでしょうね。